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備える―平常時

平常の時、どのような「考え方」で災害への準備をしておくか。基本的な概念が問われています。東日本大震災は、従来の防災思想を根底から覆しました。大自然のエネルギーがあまりに大きく、被害が途方もなく拡がったからです。

これまでの防災計画は、被害を出さない、完封するという発想のもとに立てられてきました。10メートルの波がきてもはね返せるよう15メートルの防潮堤が築かれました。しかし、津波は東北地方太平洋側の海岸という海岸に襲いかかり、堤防を一気に乗り越えてきました。高くて巨大な堤防がまちを守ったケースもありますが、たくさんの自治体が防ぎきれませんでした。

そこで、注目されているのが「減災」という考え方です。高い基準を設けて被害を抑え込もうとする防災ではなく、防潮堤の後ろに幅の広い防災林、その後ろにかさ上げした道路、さらにその後方に地盤を高くした住宅地といったように「多重防御」で被災を減らす考え方です。ひとつの備えが完全ではなくても、多重化して被害を軽減する。この発想は、物理的なインフラ整備だけでなく、情報やソフト技術と組み合わせることで、さらに深まっていくと考えられます。